水害発生から3週間が過ぎた豪雨水害の被災地では、いまだ手つかずの被災家屋も多くボランティアのマンパワー不足もあり、支援活動が滞っています。それでも現場の最前線ではボランティアは毎日泥や砂埃、カビにまみれながら必死に活動を続けています。
いまだ、手つかずの1階家屋に2階でひっそり暮らしている人、避難所では他人に迷惑をかけるからとカビだらけの自宅に戻っている人などが置き去りになっています。また農家では田んぼに流れ込んだ家屋や車などが行く手を阻み、手が付けられない場所や、収穫したお米が何百袋も水に浸かり、公的な補償もなく廃棄している状況です。

現在は主に避難所の環境改善を行っています。阪神・淡路大震災以降、女性・子ども・外国人・障害者などには配慮した避難所づくりを提案してきましたが、20年経った今でも体育館の床に毛布を引いて、間仕切りもなく、女性が着替えたり、洗濯をしたり干したりする場所もありません。

間仕切りなし_s

そこで、震災がつなぐ全国ネットワークの加盟団体などと協力しながら、避難所の環境改善を行っています。まずは、床からベッドへ、間仕切り、寒さ対策などを行いました。足腰が不自由な高齢者はベッドになり寝起きが楽になりました。ペルー人家族も今回の被災によって生まれて初めて布団で寝たということでしたが、段ボールベッドを導入すると、とても喜んでくれました。

間仕切りあり_s

ペルー人1_s

ペルー人2_s

ペルー人3_s

また、段ボールベッドだけでは硬いので、腰の悪い高齢者にはエアーマットなどで対応しました。

エアーマット_s

環境改善_s

そして、避難所のひとつであるあすなろの里では体育館に避難していた被災者があまりの寒さゆえに「私はここから生きて出れるのか」と毎日のように訴えていた人は、畳敷きの旅館の個室のような部屋へ移動してもらいました。これには保健師、看護師、施設職員、常総市社会福祉課などと連携し、行うことができました。ただ、今後避難所の統廃合に伴い看護師などの応援体制が希薄になることが懸念されています。

お引越し1_s
お引越し_s


同時に、長期化する避難生活を見据えて災害救助法を運用して被災者が安心・安全に避難生活できるように地元の茨城NPOセンター・コモンズCOMMONSさんを通して常総市や県などに、旅館や企業の保養所などを借り上げるなど、被災者に必要な施策を提言しています。

 また、足湯も避難所を中心に行っています。朝晩寒くなってきたので、底冷えがする体育館などでは女性は特に足先などが冷たくなるので、足湯は好評です。

足湯1_s

足湯2_s

足湯3_s

足湯のつぶやきを紹介します。
「普段、シャワーは使わず湯船に浸るので、風呂に入った気がしない」
「むくみが取れない」
「昔の古傷が出てきた」
「うわ~気持ちいい、今日は幸せだ」

被災者の方の一句です。
「十月を迎えて避難地あすなろに 日を追うて避難の宿寒さ哉」(10/1) 

 引き続き「活動支援金」の募集を開始しています。支援金は復興に中長期にかかわる被災者支援を行うためのボランティア活動に使わせて頂きます。

これまでの20年間の経験とネットワークを生かし、可能な限り対応していきたいと考えています。是非、みなさま方々のご支援、ご協力をお願いします。
なおこうした私たちの支援活動は、みなさまはじめ日本財団やCivic Forceさんからのご支援で行なっています。  
(増島 智子)