11月30日で常総市内にあった5ヶ所のうち、4ヶ所が閉鎖となりました。みなさん避難所とはいえ、コミュニティもできて仲良くなった人たちで別れを惜しんでいました。茨城県の対策本部によりますと、第2次避難場所として市内のホテルや旅館3ヶ所に移動を68人が移動しました。旅館の都合で8日に移動がずれ込む被災者の人もいます。東日本大震災では福島からの避難者が「旅館は生活するところじゃない」と辛そうに語っていた人がいたと仲間から聞きました。また、住み慣れた常総市を離れ、つくばの公営住宅などへ避難を強いられた人もいます。県や市が確保した住宅は災害救助法では「全壊・流失」家屋の世帯しか入れません。また、今回用意された第2次避難場所となるホテルや旅館は3ヶ月の期限付きで、それまでに自宅の改修などが終わる人と限定されています。中には工事が終わるかどうか心配と漏らす人もいました。その先はどうなるのか…。それ以外の人たちは自力で民間賃貸を借りたり、施設入所、生活保護などという選択肢しかありません。
今回の豪雨水害では、常総市では、全壊52件、大規模半壊1,452件、半壊3,520件、床上浸水100件、床下浸水2,996件(県全体では、全壊52件、大規模半壊1,656件、半壊3,747件、床上浸水135件、床下浸水3,685件)となりました(12月2日現在、茨城県災害対策本部より)。
大規模半壊と半壊だけで5,403件、床上を入れれば8,399件もあるにも関わらず、確保された住宅は災害救助法で「全壊・流失」と決められているという理由で入居できない人がほとんどです。生活再建支援法では全壊の人は最大で300万円、大規模半壊では250万円など施策は、いまだ不十分です。半壊では、義援金と見舞金の数万円程度しかもらうことはできません。今回常総市では、半壊世帯に一律25万円(県と市2/1ずつ)、所得制限により法対象とならない半壊世帯に住宅応急修理56万7千円を補助する方針を固めました。
けれどもまだまだ、井戸水に大腸菌が発生して、水道が使えない人、床板を剥いで泥をとってもまだ乾いていないので、工業用の扇風機で濡れた基礎などを乾かしている人、大工さんが混んでいて週一度しか来ない家、見積もりを出している人、2階生活をしていたのですが、工事の関係で一度家を出てくださいと言われた人など、まだまだ家の再建は思うように進んでいません。「常総市は鬼怒川決壊など大規模水害で全半壊した世帯に対し、生活状況と住宅再建に関するアンケートを行った。27日発表の速報値では、自宅の『建て替え・住み替えが終了していない』との回答が8割に上り、生活再建が進まない実態が鮮明となった。修復については『めどが立たない』『引っ越し』との答えが計220世帯に上り、水害によって転居する市民の姿が浮き彫りとなった。」(2015/11/28茨城新聞)と伝えています。
このような状況下で、安心して生活できる住宅の確保が本来なら必要です。水害では特に支援が手薄なため、被災者にとってもかなり厳しい選択を迫れます。半壊などの人たちにも仮設住宅が用意されれば、安心して自宅の修復や今後の見通しを立てるだけの時間がもれると思います。第2次避難場所でも期限が短くアンケートの結果にそぐわない期間になってしまいますし、エレベーターが壊れてしまっている宿泊施設などもあり、移動が困難な人たちも発生しています。今後、バラバラになった被災者の人たちが健康悪化や孤独に陥らないために、保健師の巡回もとより、生活支援相談員や生活援助員(LSA)の配置など災害時要援護者支援については、これまでの被災地の事例にそって、被災者にもっと寄り添った支援策を行政や国には確保してもらいたいです。
今後はバラバラになったコミュニティ支援や地域との関わりをふくめ、地元のNPO「たすけあいセンターJUNTOS」と連携しながらサポート体制を作っていきたいと思います。